ちょうど一年前の2006年8月24日は、映画監督・溝口健二の没後50回目の命日に当たり、各地でイベントやシンポジウムが行われたようでした。恵比寿で上映された回顧特集では、何本かの作品がニュープリントでスクリーンにかかるということだったので、是非とも観たいと思っていたのですが、雑事に追われて残念ながら結局一度も映画館に足を運べませんでした。だからというわけでは必ずしもないし、やり残した宿題を片付けようといった律儀さからでもないのですが、今年の夏休みは、一年遅れで『溝口健二 プチ・レトロスペクティヴ』という(個人的な)企画を立てて、主として1950年代の作品を8本ほど家のDVDで鑑賞して過しました。
そうと意識して選んだつもりはなかったのですが、山田五十鈴・田中絹代・木暮実千代・京マチ子・若尾文子・香川京子といった女優さんが主演格として丁度2本ずつ出演する構成となりました。すでに故人となられた方もいれば、一番若い方でも現在は70歳を超えていらっしゃるはずなので、以前に観たことのある作品も含まれていたにもかかわらず、なんだか遠い昔の映画(笑)のように最初は感じられました。
しかし、1950年代といえばその時代に出版された本・録音された音源・制作された映画、などなどが現在も身の回りにいくらでも流通しており、いまだに消費の対象となっています。したがって、長い時間が経過したように感ぜられるのは、自分の側に何か別の意識が原因としてあるからなのでしょう。
もちろん、50年前といえば確かに昔のことには違いありません。が、古さを意識させるのではなく、未熟さを感じさせるのでもなく、二度と起こりえるはずのない絶対的な出来事としての過去がまごうかたなくそこに存在していて、それを古典と呼ぶべきかどうかは分かりかねますが、おそらく溝口の作品は、ジャポニズムとも伝統芸能とも無関係に、いわば非歴史的な時空にこれからも存在し続けるのでしょう。
・・・というわけで、今年の夏休みは、日中は5km走って1km泳ぎ・夜はDVDを観るという生活を1週間続けておりました。心身共々リフレッシュ出来たかどうか不明ですが、それなりに有意義な時間を過ごしたような気がしています。
みなさんは、いかがお過ごしになられましたでしょうか?