今年もあと数日を残すばかりとなりましたが、この一年間の一番の思い出は何かと考えてみたところ、拙宅にN先生ご夫妻をお招きして、私が焼いたステーキ・ランチを召し上がって頂いたことかなぁという結論になりました(注:左の写真はイメージ画像です)。
N先生は、御年93歳になられる英文学の名誉教授でいらっしゃいます。私が大学の教養課程の学生だった40年ほど前に、先生が開講されていた一般教育ゼミナールを受講したことがきっかけで先生から教えを受けるようになりました。
当時の先生のゼミのシラバスには、【題目:高級英文の解釈と鑑賞】【内容:難解だが中味の濃い文学作品をスパルタ式教育法によって精読します。その覚悟のある者のみ出ること。スパルタ式の見返りとして読解力を向上させます。5限にかかることもあるので注意】と書かれておりました。文学青年というわけでもなく、理系専攻の学生だった私が英文学のゼミに出席するようになった経緯はさておき、先生からは英語以外にも様々なことを教わり、私の人生に最も影響を与えて下さった恩師の一人となり、今もお付き合いをさせて頂いている次第です。
在学中も卒業後も、お弟子さん数人と共に、先生のご自宅に呼ばれて夕食をご馳走になる機会が何度もありました。奥様が供して下さる素晴らしい手料理に舌鼓を打ちながら、世間話からアカデミックな話題まで、先生の教養あふれるお話を伺うのが毎回とても楽しみでしたが、20年ほど前の秋のこと、先生から突然「小西君、どこか秋刀魚の塩焼きの美味しい店を知らないかね」とお尋ねがありました。聞けば、ご自宅では魚を焼けないので好物の塩焼きが食べられないとのこと。それをきっかけに、年に何度か私の自宅近所の定食屋さんでランチをご一緒するようになり、秋になると先生から「小西君、秋刀魚はまだかね?」というメールを頂くようになりました。
今年の秋も恒例の秋刀魚ランチを食べながら先生と雑談をしていたら、「君は家でどんな料理を作るのかね?」という話になり、「最近はステーキを美味しく焼く方法を色々試しています」と答えたところ、「ほう、それじゃあ今度君の家で食べさせてもらいたいなぁ」ということになって、先日その約束が実現いたしました。
40年になる先生とのお付き合いの中で、色々な勉強をさせて頂きましたが、学生時代から何度も手料理を振舞って下さった奥様へのお礼もかねて、先生ご夫妻に私の手料理を召し上がっていただける機会が訪れるとは、何と光栄なこと!今年一年で一番の思い出になりました。
みなさまの今年の一番は何だったでしょうか?どうぞ良いお年をお迎え下さい。